土方歳三最期の一日 通し感想 5
まず言い訳を。

すでにお分かりでしょうが、この通し感想については自分なりにシーンを区切って書いています(区切り文字=☆)。そしてここでは今回の続編において最重要とも言っても良い、“榎本の部屋に土方が入ってきた”ところから“「まずは、軍議だ。」”まで。土方の復活が描かれたシーンです。もう少し細分化も出来ない訳ではないのですが、やはりこれでひとまとまりかと。但しここは他に比べて長い上、何と言っても土方の心理変化が激しい(というより極端です)。だって『死に場所を探していた』土方が、『生きるために戦うんだ』と言い出すまでの過程を描いているのですから。たかが15分。されど15分です。

と気合を入れつつも何とかなるだろうと楽観的に書き始めたのですが、正直脱落しかけました。思った以上に『死に場所を探していた』という言葉を受け入れられなかったのがその理由です。要するに大前提が納得いかないのですからそりゃあ心理変化もくそもあるかい。ということです(笑)。そんなこんなで書きあぐねているうちに、ここまできてしまいました。でも今は自分の中で解決を見たのでなんとか書き進められそうです。

そんな私の精神状態を理解した上で以下をお読みくださると助かります。

言い訳だけですでに長いよ。




まず、ここではとにかく移動が多い(ムック本のp38参照)。

 榎本の部屋(椅子→抜刀→床)
 ↓
 望楼
 ↓
 会議室
 ↓
 廊下

ではまず榎本の部屋。威勢よく榎本の部屋に入ってきた割にはなかなか本題を切り出そうとしない土方。一方の榎本も降伏が実は悔しくてたまらないものだから(ここではまだ言うべきじゃないかもしれないけど、、、)、土方の用件が降伏だとわかってるにも関わらず、のらりくらりと違う話題を持ち出してくる。まぁここでの話は榎本の人となり、時代背景等を説明する上でも必要なのだろう。とはいえいつまでも話している暇がある訳ではない。土方は本題に入る。

「何故降伏する。」
「降伏を申し出るのも一つの策だ。」
「降伏の先には何もない。すぐに取り下げてもらいたい。」
「出来ない相談だ。」
「ならば仕方が無い。」

やはり抜いたか。このシーン、榎本がまったく動じないのもそれはそれですごいのだが、土方の方も本当に榎本を切るつもりだったんだろうか。私にはそう見えなかったが。そんなに馬鹿じゃないよこの人、と。きっと榎本もそう信じたからこそ、あそこまで落ち着いていられたんじゃないだろうか。(でも実際に刀を突きつけられてあれだけ落ち着いていられるのはさすがです)

そして、ここからの榎本の一気のたたみ掛けが見事。
「無駄が大っ嫌いでね。」「私を切るのはよしなさい。」
と刃先を叩きながら言ってのけ、
「あんた、死にたいんだろう。一日も早く、戦でさ。」
と相手の弱いところを突き、
「そんな物騒なやつに俺の兵を預けられるか。」
とおそらく土方が初めて聞くような大声を出して圧倒し、とどめ。
「あんたに切られなくても明日の今頃は、腹を切っている。」
「私の命と引き換えに、皆を救ってもらうつもりでいる。」
(「嘘をつけ」)
「嘘じゃねぇ。こう見えても俺は侍だよ。あんたも本気のようだが私だって本気なんだ。だからそいつを収めてくれねぇか。」
うーん、たまらん(惚々)。榎本vs土方。榎本の圧倒的勝利(キャー)。
※私は土方ファンです。一応。念のため。

刀を収めた土方は降伏を取り消させることについてはまずは諦めた様子。だがそうは言っても自分は薩長に頭を下げる訳には行かないのも確か。駄々をこね始める。

「兵は要らん。だったら俺一人切り込ませてくれ。俺が死んだ後で降伏すりゃあ良い。」
「悪いがそいつもできないなぁ。」
「何故だ。」
「私は決めたんだよ土方君。もうこれ以上私以外の誰一人死なせやしないってね。」
「だったら俺はどうすれば良い!!」

うわぁ。そうきたか。混乱の極地だ。どん底だ。しかもなんだか泣きそうだ。
でも榎本さん、さすがです(笑)。

「どうするかねぇ。。。。。そうだな。とりあえず一杯やんなよ。知らねぇものは一度は試しておかないと、了見を狭くするよ。」

そうだね、まずは落ち着かせるのが一番だ。

この辺からだろうか。間に挟まれる官軍の映像が怖い。

[01/15 01:00]
床に座りこんだ状態でワインを受け取り飲む土方。胡坐に猫背。やっぱこうでなくっちゃ土方は。洋装なのが少し寂しいけど。飲みながら始まる榎本の夢の話を聞きつつも勧められるままサンドウィッチも食べてみている(良いなぁ;笑)。そしてふと、「榎本という人間がわからない。」と言い出す彼。榎本に促されるがまま、初めて蝦夷地に渡る話を聞かされたときの感想を述べていく。

私はその彼の言葉の中で、これらの否定的な言葉が気になった(詳しくは後で)。

「途方もない話に俺は驚いた。」
「無茶な話だ。」
「しかしあんただって腹の底では、それが夢でしかないことをわかっていたはずだ。」
「本当に新しい国が作れるなんて思っちゃいなかった。」

これだけ榎本の夢に対して否定的な受け取り方をしておいて、

「でもそれで良かったんだ。俺達の思いはただ一つ。薩長に一泡吹かせること。このまますんなり薩長の新しい世の中になるのが許せなかった。」

これは先の永井様との話の中でもあった、「戦う場を与えてくれたことに感謝している」と同様の言葉と言えるだろう。また、この言葉によって彼にとって唯一の生きる理由である薩長との戦いの場を失ってしまうこと(降伏)を思い出したらしい。

「それなのにどうして今になって奴らに頭を下げる。何故最後まで戦おうとしない。」
「俺ははっきりいって、あんたに失望した。」

で、突如事件は起こった(私の中で)。

「一時でも榎本武揚に、近藤勇を重ねた自分が恥ずかしい。」

えぇえええええ!?全然タイプが違うじゃん!(この辺についてはまた後で)

そんな捨て台詞のような言葉を残し部屋を出て行こうとする土方(どうする気だったんだろう)。その背に向かって勝手に近藤さんに重ねてもらっても困るという榎本。に対して彼は振り返り、
「近藤さんは信念の人だった、、。」「悪いが、あんたとは違う。」
当然ながら榎本も言い返す。
「当たり前だ。私は榎本武揚だ。」
そりゃそうだ。そして。
「ただ土方君。君は一つだけ思い違いをしているようだ。」
「あのとき私は本気だった。君は無理だと思っていたようだが私は本気で国を作ろうと思っていた。蝦夷地に新しい国を。」

「きたまえ。」

声フェチはここは悶えて良いところでっせ~(だいなしな感想だな、笑)。

でもある意味土方も近藤さんという原点に返ってようやく落ち着きを取り戻したし、榎本も近藤に重ねようとした土方の言葉を聞いて思うところがあった様子(顔つきが変わった気がする)。何かが動きそうな予感。

お二人も場所を移動するようです。

ということでこちらも次の記事に移動します。本当は切りたくないけどあまりにも長くなりすぎたので。しかし会話の抜き出しが多い。この辺の会話は本当に良いものが多いので省けなくて困るよ。

後で後での部分はちゃんと後で忘れずに書くように>自分。
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by kage_cha | 2006-01-13 00:05 | 新選組!
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